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 「上手に育てられないからもうしない」と老母は家庭菜園をやめてしまった。 パセリやピーマンを鹿に食べられ、あじさいを咲かせられない老母はかんしゃくを起こしたように不機嫌だった。
 周りのうちはきれいに家庭菜園を管理して、花を咲かせてガーデニング(御歳の方々は「園芸」と言います)を楽しんでらっしゃる。だけど老母は元からの不器用に加えて、「調べる・勉強する」ことができない。ネットが使えないとはいえ、NHKなどで園芸番組を見ればいい。雑誌を買って読めばいい。

 うちの老母は自分で行動しないに加えて、生活に追われた低賃金の未熟練労働者だったので、「生活を楽しむ」ことを知らない。ただただテレビを見ているだけだ。テレビはつまらないが時々生活の知恵や料理の隠し技など、生活の知恵的な番組もある。だけどただ見ているだけだから、せっかくの情報を聞き逃している。だから重曹の使い方も、魚のアラの下ごしらえも知らない。

 娘のワタクシは、家庭を持たずしがらみは極力少なくして、自分の好きなことをして稼いだお金は自由に使ってきた。ICTが大好きなので、わからなければすぐググる。サイトでしばらく遊んでいられる。公立図書館で本を借りて読む。お金をかける遊びもかけない遊びも自分の好きなようにしてきた。

 老いる前から他人まかせな性格の老母に、尻の青い頃のワタクシはずいぶんイラだった。そして老母が大嫌いだった。なぜ自分で決めないのか、なぜ「わからない」で全てを済ませて他人に任せるのか。老母を無意識に反面教師にしていたのか、自律して自分で行動して自分で決めるとがむしゃらだった。遊びにしても仕事にしても、自分で探して自分で見つけることが楽しかった。

 ワタクシも歳を重ねれば老母のように他人まかせな性格になるか・興味のあるものが減っていくのか少々心配だった。その心配は取り越し苦労で、便利になった世の中の仕組みのおかげで行動範囲は広がり、楽しめるものを見つけることはできる。
 とくにICTは随分とワタクシを楽しませてくれるし、好きなことをする手助けにもなる。おまけにお金の稼ぎ方まで教えてくれる。歳を重ねるのも悪くないな、と思える。

 「女子は結婚して家庭を守る」、おなごの一般的な生き方に忠実だった老母が、どうしても幸せに楽しそうに見えなかった。老父が身体を壊して働けなかったので、代わりに老母が生活費を稼がなければならなかった。なんの資格も技術もないので、低賃金の仕事にしかありつけない。生活に疲れ果てて愚痴しか言わない老母を見て絶対に自分で稼げるようになってやる、と手に職をつけて資格を取った。

 老母もヨメにもいかず、転職を繰り返してもお金に困らない気ままな生活を送るワタクシが大嫌いで腹立たしかったのはよくわかった。ワタクシが社会人になってから「あんたは友達がいて、いつでも外に遊びに出られて!」とはっきり嫉妬をぶつけられたことがあった。悲しいとも腹立たしいとも思わなかった。自分の人生自分で決めないから何もできないんでしょ、とあきれただけだった。

 ワタクシが心身壊して実家で揉め事なく暮らせているのは、老母と仲良くなったからではない。お互いが別の人間と思えたからだ。認めるとか和解したとか、美しい話じゃない。ただ考え方が違う生き物がいる、と気づいただけだ。自分と違う生き物と一緒に暮らすには、理解しようとか意見を言うのではなく、ただ見ておくだけで特別なことはいらない。
 認めるのではなく、お互いの邪魔をしないだけだ。

 父の日と母の日のプレゼントを兼ねて、古いあじさいの木を剪定して小さなあじさいの鉢を買った。老母は相変わらずつけっぱなしのテレビの前で、ちんまりと暮らしている。それほど喜びはしなかったが、毎日水やりはしているようだ。

 家庭菜園はすだれや網を張るだけで、鹿は寄ってきません。昼間に鹿は来ないので、夜家庭菜園の周りをすだれや網で囲うだけで大丈夫です。ミントを植えていますが、鹿の口に合わないようで無傷です。

     7月には花を切っておかねば、来年花をつけないそうです。
 
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